DEADPAN
2023-2024
目まぐるしいスピードで日々成長をしていく生成AI. ある日,数か月前までできなかったことが可能となっていたり,ユーザーの要望があるないに関わらずアップデートされていく. 一方で,その成長スピードが速すぎるがゆえに最新のものも同様に入れ替わっていく. ユーザーは,新しくできたバージョンの方へとフォーカスしていく. このことは何も生成AIだけに限った話ではなく私たちの日々の日常でも起きている現象のようにも思える. 子供に新しいおもちゃを与える,新しいコートを買う,新しい家に住む,[既にそれぞれ所有しているのにも関わらず]. 当たり前の現象のようにも感じるが,価値判断は別としてそこには人間の欲の存在により成立している. そしてその時,新しくなくなったものへの愛着は新しいものへと移っていく. 私はその流れに人間の儚さを感じ,そのこと忘れてはいけないような気持ちにもなる.
flotsambooks zines tour 2024 参加作品
私 日 常
2023
これは私が視ていた風景を他者にイメージとして伝えるために制作したものである. 私の当時の日常の景色でもある.
2018年11月に私は全身痙攣を伴うてんかん発作を起こし,意識不明のまま病院に運ばれた. MRI検査で脳腫瘍があることがわかった. その後も同様の発作が起き,あるタイミングで腫瘍が微かに増大していることが判明し,腫瘍摘出のための開頭手術を受けた. 2021年4月の事である. 手術後,病理検査の結果,良性であると思われていた腫瘍は悪性であることが判明した. がんを患ったのである. 病名も付いた. 化学療法を約1年かけて行った. その1つの抗がん剤治療は,薬を1ヶ月に5日間連続で飲む. それを12ヶ月繰り返すというものだった. そのためその5日間以外は身体は基本的に元気であった. そこで,近所を散歩したり,遠出もした.
だが,自分が視ているものが何かこれまでと違った. がんを宣告された自分が見る風景は時に眩しかったり,闇がかっていたりもした. 気分の極端な変化だけでいつも行っていた川の景色がこうも違って見えるのかと落胆した日もあった. ただ,それらも私の日常であることには変わりなかった.
flotsambooks zines tour 2023 参加作品
No one can prove ...
2024 -
街には "何かしら" が落ちている. 特に元の原型を留めずに一部が欠損したものや,素材が変色しているものなど,その種類は様々である. それらを拾得し,修復することを試みた.
だが,元の姿を見ていない私には「そうであったかもしれない」という過去に起きていた現象やカタチを現在からイメージすることでしか修復を行うことはできないのである.